ECサイト業界向けCRMとは?導入メリットや選ぶポイントやおすすめツールを紹介
EC市場が急拡大し、競争が激化する現代において、安定した売上を確保するためには、顧客との良好な関係構築が不可欠です。
しかし、顧客一人ひとりの嗜好や行動に合わせた施策を手動で行うには限界があり、マーケティングの効率化・自動化が求められています。
こうした課題を解決するために、今多くのEC事業者が注目しているのがCRM(顧客関係管理)ツール」です。顧客データを活用することで、リピーターの獲得の最大化を図り、収益力の強化に繋がります。
本記事では、ECサイト業界向けCRMについて、「そもそもCRMとは何か」から、必要な理由、導入メリット、選定ポイント、さらにはおすすめツール10選まで、初心者にも分かりやすく解説します。 ECビジネスの売上アップやリピーター育成にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考に、貴社に最適なCRM導入をご検討ください。
CRMとは?

CRM(顧客関係管理)とは、「Customer Relationship Management」の略称であり、顧客一人ひとりの嗜好や購買履歴などの情報を一元管理することで、顧客との長期的な関係を構築するマネジメント手法です。
氏名や住所といった基本情報に加え、購入履歴、問い合わせ履歴、フィードバックなどを総合的に分析し、顧客一人ひとりのニーズに合わせた最適なアプローチを可能にします。これにより、顧客満足度やロイヤルティ(忠誠心)を高め、企業の売上向上を目指します。
近年では、このCRMの考え方を実現するためのシステムやツールが広く普及しています。これらのツールは、顧客情報の効率的な管理やデータ分析をサポートするだけでなく、顧客満足度やリピーターを増やすための施策の実施も可能にします。しかし、CRMの本質はツール導入だけではなく、顧客中心の考え方を企業文化として根付かせ、組織全体で顧客との信頼関係を深めていくことにあります。
なぜECサイトにCRMが必要なのか?
近年の企業のデジタル化に伴い、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング活動を効率化するCRM(顧客関係管理)ツールの重要性が急速に高まっています。
下図は、IDC Japanの調査に基づくCRM市場規模の成長予測です。この予測によると、日本国内のCRMアプリケーション市場は2019年の1,742億900万円から、2024年には2,250億9,000万円まで成長すると見込まれています。

(出典:IDC Japan)
このデータは、企業が顧客との関係性構築をいかに重視しているかを示す証左であり、特に以下のような課題を抱えるECサイト運営者にとって、CRMは不可欠なソリューションです。
- 顧客データが分散している: 顧客の購買履歴や問い合わせ履歴が部門ごとにバラバラで、一貫したアプローチが難しい。
- ノウハウが属人化している: 顧客対応の経験や知識が個人に依存し、チーム全体で共有されていない。
- 顧客のニーズが掴めない: リアルタイムな顧客の行動や嗜好を把握できず、効果的なマーケティング施策を打てない。
このように、CRMはECサイト運営における「売上最大化」と「顧客エンゲージメント強化」の両輪を支える戦略的ツールとして、今後ますます重要性を増していくことが予想されます。
ルビナソフトウエアでは、こうしたCRM導入のニーズに応えるため、要件定義からシステム開発、運用保守まで、ワンストップでサポートしています。ルビナと協力して、貴社に最適なCRMシステムを構築し、ビジネスの成長を加速させましょう。
ECサイトでCRMを導入するメリット

ECサイト運営の課題を解決するCRMは、顧客データを活用したパーソナライズされたアプローチや業務効率化を通じて、企業に大きなメリットをもたらします。これにより、顧客満足度の向上からLTV最大化、売上アップまで、幅広い効果が期待できるのです。具体的には、下記のようなメリットがあります。
① 顧客情報の管理・共有が楽になる
CRMの最大のメリットの一つは、顧客データの一元管理です。顧客の年齢、住所、連絡先といった基本情報から、購買履歴、問い合わせ内容、サイトの閲覧ログに至るまで、あらゆる情報を一つのデータベースで集約し、可視化できます。さらに、CRMツールは他の外部ツール(例えば、マーケティングツールやカスタマーサポートツール)と連携できるため、部門間の情報共有が円滑になり、組織全体で一貫した顧客対応を実現することが可能です。これにより、顧客対応の質が向上し、ロイヤルティ強化にも繋がります。
② 社内・部署間の連携を強化できる
CRMは、顧客情報を一元管理することで、部門間の情報共有を劇的に改善します。これにより、ECサイトの運営においては、マーケティング、営業、カスタマーサポートといった複数の部門が連携しやすくなります。各担当者が顧客の全体像を把握できるようになるため、一貫した顧客体験を提供でき、顧客満足度の向上に直結します。結果として、組織全体の業務効率化にも繋がるのです。
③ 業務効率化を実現できる
CRMツールを導入することで、ECサイト運営における様々な業務を効率化できます。顧客データが一元管理されているため、必要な情報を探す手間や時間を大幅に短縮可能です。
また、多くのCRMツールはクラウド型であるため、場所や時間を選ばずデータにアクセスできる点も大きなメリットです。これにより、テレワーク環境下でもチーム内の情報共有が円滑になり、担当者が不在の場合でも顧客情報を即座に引き出して対応できるため、顧客満足度の向上にもつながります。
④ 顧客データを収益アップに活用できる
CRMに蓄積された顧客データは、ECサイトの収益アップに直結する貴重な資産となります。顧客の属性、購買履歴、リピート率などを詳細に分析することで、顧客一人ひとりのニーズや好みを深く理解できます。この分析結果をもとに、顧客に最適な商品をレコメンドしたり、特定のセグメントに絞り込んだパーソナライズされたプロモーションを実施したりすることが可能です。これにより、顧客のリピート率が向上し、結果としてECサイト全体の売上向上に大きく貢献します。
⑤ 顧客ごとに最適なアプローチができる
CRMの最も重要な機能の一つは、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされたアプローチを実現することです。ECサイトのアクセス履歴、商品の閲覧履歴、問い合わせ履歴、メールの開封率など、様々なデータを紐づけて管理・分析することで、顧客の興味やニーズを深く理解できます。この分析結果に基づいて、顧客が関心を持つ可能性の高い商品やサービスをレコメンドしたり、最適なタイミングで個別メッセージを配信したりすることが可能です。このようなきめ細やかな対応は、顧客とのエンゲージメントを深め、顧客体験の向上とリピーターの増加に大きく貢献します。
上記の通り、CRMツールの導入はマーケティングの高度化、業務プロセスの最適化、そして顧客体験の最大化といった多角的な効果をもたらします。競争が激化するEC市場において、顧客一人ひとりと深い関係性を築くことは、売上アップと中長期的な事業成長に不可欠です。まだCRMを導入していないECサイト運営者の方は、この機会にCRM導入を本格的に検討し、顧客との強固な信頼関係を築いていきましょう。
ECサイト向けのCRM選定ポイント
CRMツールを導入する場合、自社に合ったものを選ぶのが大切です。CRMで実現したいことを洗い出してみると、自社に合ったツールを選びやすくなります。ここでは、ECサイト向けにCRMツールを選定する際に押さえておきたい重要なポイントを解説します。
機能性
CRMツールを選定する上で、最も重要なポイントの一つが機能性です。ツールのデータ分析精度やマーケティング施策の柔軟性を事前に確認しましょう。ただし、機能が多すぎる高価なツールは、使いこなせず運用コストばかりがかかるケースもあります。自社のECサイトで「何をしたいか」を明確にし、その目的に応じて必要な機能を持つツールを選びましょう。例えば、メール配信やSNS連携を重視するなら「マーケティングサポートタイプ」、顧客情報の蓄積と一元管理を重視するなら「顧客管理特化タイプ」など、目的に合ったCRMを選ぶことが大切です。
サポート体制
CRMツールの導入を成功させるには、ベンダーのサポート体制も重要な選定ポイントです。万が一のトラブルや操作方法で困った際に、メールやチャットだけでなく、電話での問い合わせに対応しているかを確認しましょう。無料トライアル期間中に実際に問い合わせを行い、レスポンスの速さや回答の分かりやすさをチェックすることも有効です。また、自社スタッフのITリテラシーやスキルレベルに合わせて、導入後の運用定着まで手厚いサポート(定期的なセミナー開催など)を提供してくれるベンダーを選ぶことで、安心してCRMを使いこなせるようになります。
操作性
3つ目は操作性です。CRMツールは、実際に利用する現場スタッフが直感的に操作できることが重要です。マニュアルを見なくても誰もが簡単に使いこなせるような操作性の高いツールは、導入後のスムーズな運用定着に繋がります。操作性の高いツールを選ぶことで、導入後の教育コストを抑え、スムーズな運用定着に繋がります。他システムとの連携がしやすいツールほど、情報共有や業務の自動化の幅が広がり、業務効率化を強力に推進できます。
セキュリティ
CRMツールを選定する際、最も慎重になるべきポイントの一つがセキュリティです。CRMはECサイトの顧客の氏名、住所、電話番号、さらにはクレジットカード情報といった機密性の高い個人情報を扱うため、万全のセキュリティ対策が不可欠です。万が一、情報漏洩が発生した場合、企業は顧客からの信頼を失い、多額の損害賠償リスクを負うことになります。ツールの公式サイトだけではセキュリティに関する詳細な情報が得られないことが多いため、ベンダーの運営実績、情報漏洩事故の有無、第三者評価などを独自に調査するか、直接問い合わせて確認するようにしましょう。
CRMツールの選定は、単なる機能比較にとどまらず、「自社のECサイト運営におけるビジネスゴールにどう貢献できるか」という視点が重要です。CRM導入に際して「何から始めたらいいか分からない」「自社に合うツールを選べるか不安」といったお悩みをお持ちでしたら、CRMカスタマイズソリューションの実績豊富なルビナソフトウエアまでお気軽にご相談ください。最適なCRM選定から導入・運用支援までをトータルでサポートいたします。
ECサイト向けCRMおすすめ比較10選
これまで、ECサイトにおけるCRMの重要性や選定のポイントについて解説してきました。ここでは、それらの選定基準をもとに、ECサイト運営に特におすすめのCRMツールを厳選してご紹介します。各ツールの特徴や強みを比較し、貴社のビジネスに最適なパートナーを見つける参考にしてください。
| ツール | こんな企業におすすめ | サポート言語 | トライアル | 主な機能 | 強み |
| kintone | 中小企業~大企業・自社の業務フローに合わせてCRMを構築したい | 日本語、英語など | 無料トライアルあり※スタンダードコースのみ | ・ノーコードで業務アプリを自由に作成・顧客管理、案件管理、ワークフロー機能・ECの受注データなどの一元管理が可能 | 柔軟なカスタマイズ性自社に最適なシステムを簡単に作れる |
| Salesforce | 大企業、グローバル展開企業・高度な営業支援・顧客管理を求める | 多言語対応(日本語含む) | 要問い合わせまたは有料トライアル | ・世界No.1シェアを誇る多機能CRM・高度なデータ分析とAI予測機能・豊富な外部ツール・ECプラットフォーム連携 | 圧倒的な機能と拡張性将来的な事業拡大にも対応可能 |
| HubSpotCRM | スタートアップ、中小企業・CRMを無料で始めたい・マーケティング、営業を統合管理したい | 日本語、英語など | 無料プランあり | ・無料から始められる多機能CRM・メールマーケティング、チャットボット、セールス自動化 | 初期費用不要の無料プラン直感的なUIで学習コストが低い |
| Visionary | 製造業など現場中心の企業・アナログ業務のデジタル化を進めたい | 日本語のみ | 要問い合わせ | ・現場目線で開発された国産CRM・現場帳票の管理、営業支援機能・製造業、建設業に強みを持つ | 現場業務への特化日本の企業文化に合った使いやすさ |
| Synergy! | マーケティングを強化したい企業・顧客データを多角的に分析・活用したい | 日本語のみ | 要問い合わせ | ・顧客管理とメール配信の一体型CRM・フォーム作成、アンケート、分析機能 | マーケティング特化の国産ツール連携可能なMAツールも豊富 |
| Zoho CRM | 成長中の中小企業・低コストで多機能なCRMを導入したい | 多言語対応(日本語含む) | 無料トライアルあり | ・コストパフォーマンスに優れた多言語対応ツール・営業支援、AIレポート、SNS連携機能 | 高いコストパフォーマンス豊富な機能と手頃な価格設定 |
| うちでのこづち | 小売・ECなどデータ活用企業・LTV向上を最重要課題とする | 日本語のみ | 要問い合わせ | ・購買データ分析、セグメント配信機能・リピーターを増やすための施策を自動化 | 小売・ECに特化したCRMデータ分析による売上改善に強み |
上記の比較表を通じて、各CRMツールの強みや特徴が明確になったかと思います。自社の事業規模や運用体制、解決したい課題を考慮し、無料トライアルなどを活用しながら慎重にツールを比較検討することが、導入成功の鍵となります。
よくある質問
ECサイト向けCRM導入を検討している方に向けて、よくある質問とその回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。
Q1:ECサイト向けCRMとは?
ECサイト向けCRMとは、顧客の購買履歴や行動データなどを一元管理し、顧客一人ひとりに合わせた最適なアプローチを行うことで、LTV(顧客生涯価値)の最大化や売上向上を目指すマネジメント手法、およびそれを実現するためのツールを指します。
Q2:なぜECサイトにCRMが必要なのか?
ECサイト運営において、顧客と直接対面する機会が少ないという課題を解決するために、CRMは不可欠です。CRMを活用することで、顧客の購買履歴や行動データを分析し、一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされたアプローチが可能になります。
Q3:ECサイトでCRMを導入するメリットとは?
CRMを導入することで、ECサイト運営における様々な課題を解決し、売上向上に繋がる多くのメリットを享受できます。主なメリットとしては、顧客データの一元管理による業務効率化、顧客ニーズに合わせたパーソナライズされたアプローチによる顧客満足度向上、そしてLTV(顧客生涯価値)の最大化が挙げられます。
Q4:ECサイト向けCRMの選び方とは?
ECサイト向けCRMを選定する際は、「自社のビジネスゴールにどう貢献できるか」という視点が重要です。具体的には、機能性、操作性、サポート体制、セキュリティの4つのポイントを総合的に判断することをおすすめします。無料トライアルなどを活用して、自社の課題や運用体制に最適なツールを見つけることが成功への鍵となります。
Q5:ECサイトでCRMを導入するには、何から始めるべきですか?
まず、自社のECサイトが抱える課題の洗い出しと、CRM導入によって何を達成したいかという具体的な目標を明確にすることから始めましょう。次に、その目標に沿って、機能性やサポート体制などを比較検討し、最適なツールを選定します。「何から始めたらいいか分からない」「自社に合うツールを選べるか不安」といったお悩みがある方は、ぜひECサイト向けCRM導入の実績豊富なルビナソフトウエアまでお気軽にご相談ください。
貴社の課題に寄り添い、最適なCRM選定から導入・運用までトータルでサポートいたします。
まとめ
ECサイトにおけるCRMツールの導入は、もはや単なる顧客管理に留まりません。顧客データを一元的に管理・分析することで、一人ひとりの顧客に最適なアプローチを実現し、顧客満足度やリピート率の向上、ひいては中長期的な売上拡大に大きく貢献する戦略的ツールです。競争が激化するEC市場において、CRMは顧客との強固な関係性を築くための鍵と言えるでしょう。
しかし、CRM導入を成功させるためには、自社の課題や目的に合ったツールを慎重に見極める必要があります。機能性、操作性、サポート体制、セキュリティといった多角的な視点から総合的に判断し、導入後の運用まで見据えた最適なパートナーを選ぶことが成功への第一歩となります。

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